10月3日は、産業革命後の量産化に異を唱え、美しく豊かな手仕事を生活に取り戻す「アーツ・アンド・クラフツ運動」を主導し、「近代デザインの父」と称されたイギリスのデザイナー・詩人、ウィリアム・モリスの命日です。生活と芸術の調和を追求し続けた彼。そんな彼が生活美学の真髄を語ったこの刺激的な言葉は、情報や機能が過多になりがちな現代のプロダクト開発や組織づくりにおいて、本質を見極めるための明確な美意識を提示しています。
「役に立つか、あるいは美しいと思えないものを、家に置いてはならない」
デザイナー ウィリアム・モリス
業務のプロセス、ツールの導入、あるいは提供するサービスやプロダクトにおいて、私たちは気づかないうちに「惰性で残されている無用なもの」や「目的の曖昧な機能」を溜め込んでしまいがちです。明確な実用性(役に立つ)もなければ、使う人に感動や心地よさを与える価値(美しい)もない要素は、空間や思考を圧迫し、本来注力すべき本質を覆い隠してしまいます。 自分たちの仕事環境や生み出す価値を定期的に見直し、実用性と美観のどちらにも貢献しない無駄を削ぎ落とす「引き算の視点」を持つこと。機能美とデザイン性が高次元で融合したシンプルな完成度を目指すこと。自分たちの美意識と基準に照らし合わせ、誇りを持てるものだけを残す選択と集中こそが、洗練された真の価値を生み出す源泉となります。

